みなさん、こんにちは!
2023年5月5日、オーストラリア移民局から、高齢者介護の分野のにおける深刻な人材不足を受けて、新たな発表がありました。
今まで、永住権への近道ともいえる「職業群」に入っていなかった”Aged care”が新たに、永住権への道として開かれましたのでご紹介します。
2020年からの長いコロナ禍を乗り越えつつある中、露見したのが深刻な医療従事者の不足。とりわけ、脆弱な高齢者福祉の根幹をなすAged care workerについて、オーストラリア政府が重い腰をあげました。
他の永住権向けのコースに比べて、①経歴がなくても永住権へとつながるビザを受けることができ、②永住権申請時の経歴と英語の条件が低い、という2大特典があります。
更には、コースの期間が他の職業群に比べ短いため、学業の期間を含めて最短で2年半で永住権が申請できることになるので、最近最もHOTな話題と言えるでしょう!
他の職業群とは永住権への道が一味違っているので、早速、その内容について確認してみましょう!
[Aged Care Indusctry Labour Agreement (ACILA)]
ACILAについて知るためには、TSS 482 Labour Agreementの理解がまず必要です。
Labour Agreementは、海外の人材の雇用に関してオーストラリア政府と雇用主が結ぶ契約です。 オーストラリア国内の事業主が必要な人材を既存のビザプログラムで確保することが難しい場合、雇用主はこの契約により定められた数だけの外国人労働者をスポンサーすることができるようになります。
この契約を通じて付与されるビザは、482ビザともTSSビザとも呼ばれる、Temporary Skill Shortage visa (TSS) subclass 482ビザであり、Employer Nomination Scheme visa (ENS) subclass 186ビザを通じてオーストラリア永住権取得への道の第一歩。
このACILAを通じて選択可能な仕事は次の3つです。
・Nursing Support Worker (ANZSCO 423312) - 看護助士
・Personal Care Assistant (ANZSCO 423313) - 個人介護助手
・Aged or Disabled Carer (ANZSCO 423111) - 高齢者・障がい者介護士
上記の職業群でビザ申請をする場合には、他の職業群に比べいくつかの特典があります。
1. 英語スコア (English Skills)
・スタンダードケアサービスを提供しているスポンサーを受けてビザを申請する場合:
- IELTS 5.0 overall
- Readingと Writing:4.5以上 / ListeningとSpeaking:5.0以上
・日本語等を使用する文化的・言語的多様な高齢者ケアサービスを提供しているスポンサーを受けてビザを申請する場合:
- IELTS 4.5
- Reading, Writing, Listening, Speaking:4.5以上
*PTEなど、その他の試験結果でも申請が可能です。
2. 学位 (Qualification)
・Temporary Skill Shortage visa (TSS) subclass 482ビザの申請要件 一時滞在ビザ
- Certificate. IIIまたは
- 12ヶ月以上のfull-timeでの職歴(part-timeの場合は2年)
- Certificate. IIIが必要!!
3. 技術審査が必要な場合 (Skills Assessment)
・海外で関連学位を取得した場合
・海外の経歴を取得した場合
4. 職歴 (Work Experience)
・TSSビザ申請時:職歴なしで申請が可能 *他のTSSスポンサーは2年間必要
・ENSビザ申請時:TSSでの経歴が2年あれば永住権申請可能
5. 最低年俸 (Minimum Salary)
・$51,222 または Australian Market Salary Rateのいずれか高い方が適用
*他のTSSスポンサーの場合は、2023年7月1日より$70,000に引き上げられる
オーストラリアでは職業別・職級別に最低賃金が細かく決められています。
Aged care employeeはlevel 2、最低時給$23.57.
実際の時給は$26以上でなければなりません($26 x 38時間 x 52週= $51,376)
年俸が他の職業群より低い分、雇用主の立場ではビザのスポンサーをする際の敷居が低くなるのでビザを受けやすい、という構図です。
6. Streamlined Visa Nomination & Priority Visa Application Processing
該当する職業で、合理化されたビザシステムを適用して迅速に結果を得ることができます。
[ビザ申請のステップ]
もう一度、内容をおさらいします。
STEP.1 学位取得
・Certificate. III (以下C3) in Aged Care (もしくはIndividual Support): 3~12ヶ月
STEP.2 雇用主スポンサーシップTSSビザ取得 *482 Labour Agreement stream
・オーストラリアでC3を修了した場合は技術審査不要
・年俸 $51,222以上
・経歴:必要なし
・英語条件:IELTS General 5.0 (R/W 4.5, S/L 5.0)
・Streamlined Visa Nomination & Priority Visa Application Processing
該当する職業で、合理化されたビザシステムを適用して迅速に結果を得ることができます。
STEP.3 雇用主スポンサーシップENS TRTビザ申請
・年齢条件:45歳未満
・英語条件:IELTS General 5.5(バンドに制限はありません)
・経歴: 2年間 * full-time。特定の雇用主の下にあるか、特定のビザである必要はありません。
・Streamlined Visa Nomination & Priority Visa Application Processing
該当する職業で、合理化されたビザシステムを適用して迅速に結果を得ることができます。
このように、最短で2年半での永住権申請(取得)が可能となります。
実際には、スポンサーを探したり、TSSビザが承認されるまでの期間、そして、ENSビザ申請後承認されるまでの期間までを考えても、永住権への特急券であると言えるでしょう。
[進学に先立ち知っておくべき注意事項]
学校進学の際、できるだけ短く安くというのは当然ですが、最も重要なポイントは、必ず学校とNursing homeの連携がうまくいかなければならないという点です。 一般のエージェントなどでは、フルタイム雇用や永住権をサポートするのは簡単ではないからです。
学習期間中にNursing homeからジョブオファー(内定)を受けることは有利なので、手放しで短い学校に行くことがいいとは限りません。3ヶ月という短期よりも、6ヶ月~1年での学習をお勧めします。結局は就職先が見つからなければ意味がないからです。
3カ月しか学校に通っていない未経験の学生と1年間学校でみっちり学んだ学生を、雇用主がどう判断するかは一目瞭然ですね。
同プログラム開始前の現時点での数字ですが、全雇用者の33%だけがフルタイム、残りのほとんどがパートタイムやカジュアルで働いているのが現状です。フルタイムでの雇用を勝ち取るためには仕事にまじめに取り組むことが肝要です。
現役で働いている高齢者介護士の方々のアドバイスでは、「高齢者を担ぐなどある程度の体力が必要で、当然、英語力が高いほど良い環境で働く機会がはるかに増えるためしっかりと語学学習にも注力を!」とのこと。
実質的に求職のためにseek、indeedなどで「Aged carer」を検索すれば、ほとんどの勤務条件で運転免許が要件に含まれています。すでに日本での免許証をお持ちの方はオーストラリアの免許証の発行をするなどあらかじめ準備しておくことがポイントです。それ以外にも、必要に応じてFirst Aid、CPR資格証など役立つ関連資格も就職前に取得できれば周りとも差別化のキーとなることは間違いないでしょう。
[高齢者介護士 の職業展望]
ソース: https://labourmarketinsights.gov.au/
どうやら都心よりは田舎にお年寄りの方がより多く居住しており、半分ほどのエイジドケア従事者もオーストラリア郊外地域で勤務しています。全州でアデレードのある南オーストラリアが需要が最も多い地域です。 フルタイムでの採用も都市部よりは郊外の病院で多く採用しています。
他の職種に比べて業務環境が優れているといえるのが、エイジドケア従事者は必ず移民局で指定した労働組合に加入しなければならないため、スポンサーシップを受けている期間中も劣悪な扱いを受ける可能性は非常に低いです。
ソース:https://www.abs.gov.au/
また、2026年までにオーストラリア全域で7万人以上の雇用が増えると予想されており、見通しが非常に明るい分野です。
今日は、今一番HOTな高齢者介護(エイジドケア)についてご紹介しました。
最後になりますが、学校にさえ行けば永住権が取れるわけではない点だけは注意が必要です。卒業後に、スポンサーとなってくれる企業を見つけることもそうですが、そのあとの2年間をそこまで魅力がない賃金で働かないとたどり着けないのも事実。
「永住権を取るため!」と割り切ることもできますが、それだけでは大変かもしれません。どの職業でもそうですが、「好きこそものの上手なれ」の先人の言葉の通りです。
その他の多様なコースを含め、別途移民関連のご相談をしていただくことも可能ですので、永住などについて前向きに検討されている方は、今回の内容にかかわらず、ぜひ一度ココスまでお問い合わせください。
本内容は一般的な情報のみを提供することを目的としており、法的なアドバイスとは異なります。ビザについては、オーストラリア内務省(移民局)(Australian Government Department of Home Affairs)から最新の情報を入手してください。
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